クライミングジム グレード比較【2020年8月版】

Ranking&Feature
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はじめに

クライミングにハマっている人なら誰でも1度は考えたことがあるのではないでしょうか。
 
ジムグレードって適当すぎない??

同じ県内でも、
「グレードに差がありすぎ」、「どのジムのグレードが普通なの?」「あのジムは甘々」、「うちのジムは普通くらいのはず」、「あそこは辛い」

異なる地域だと、
「ホームジムの強い人は関東は甘いって言ってた」、「強い選手は関東に集まってるじゃん」、「関西行ったけど辛かった」、「東海はヤバいよ」

…そんな言葉、どこかで耳にしたことはありませんか?

でも、どれも噂ベースで根拠が曖昧なのでモヤモヤしますよね。それの理由は、ほとんどの人が全国のクライミングジムを自分の足で回って相対的に比較した経験がないから。そして多くの人はこんな言葉で無理矢理納得しがちです。

「そんなんジムとかセッターによるから考えるだけ無駄だよ」
「どのジム行っても、自分ができない課題に打ち込めばいいんだよ」

・・・んー、なんか違うんだよな。論点がズレているというか。ソコじゃない感。剣道とか空手とかでも段級制度はあるし、なにかしら目安はあってもいいよな。。。

それなら自分でジムを回って検証してみよう!!

就職で関東から関西に行くことになったのを契機にそう思い立ち、実際に訪れて登ってきた関東、東海&甲信越、関西のジム群から大まかな傾向を算出してみました。

関西は、大阪府、京都府、奈良県、兵庫県
東海&甲信越は、愛知県、岐阜県、静岡県、長野県
関東は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県

評価基準

・当ブログのジム評価記事の難度指標である★数から算出
・評価は10段階で、★1(易)~★10(難)
Rockyグレードを基準(★5)としています。
★1つにつき、0.5グレード増減します。

【母数】
行ったジムを全て挙げてしまうとノイズが混じるので、指定地域でグレードが辛いと思った上位 7 ジムを選出し、難度の平均値を出すことで比較しています。

※私が過去に訪れたことのあるジムだけで評価を実施。
※関西、東海甲信越は2年以内の情報、関東は3年以内の情報なので多少現状と差異あり(随時更新予定)。

評価結果

関西    :★8.0
東海・甲信越:★8.6
関東    :8.7

僅差ながら関東が東海よりも優勢で、関西は少し下がってしまう結果となりました。しかし、全体として見ればどの地域も★1(0.5グレード)以下の差なので、上位ジムだけ着目すればほぼあってないような差だとも言えます。一方で裾野までみれば関東の方が圧倒的にジム数が多いので、上位ジムだけでなく全てのジムを平均化すれば、東海や関西の方が関東よりもグレード感が辛くなる可能性はあると思います。

あとがき

【東海・関西の方がグレードが辛く感じるという噂】
多いのは、東海・関西の方がジムの母数は少ないので、口コミで遠征に行くと大体が実力派有名ジムにぶち当たるからだと思います。また、関東のジムと違ってグレードをあまり上下に伸ばさないというか、ある範囲に圧縮する傾向にあるので余計辛く感じるように思います。他の要因としては、グレードを表記せずNo.1~No.40くらいまでのグレーディングされていないMonthly課題を導入しているジムが多いことも、絶対にどこかのNo.で苦戦するという意味では、自分の苦戦したグレードが分からず、「辛い」印象を植え付けられるのかもしれません。あとは、指にやさしい持ちやすいボリュームのあるホールドを導入しているジムが全体的に少なくてクラシックでエッジのあるホールドが多く、純粋な保持力が試される課題が多いので慣れておらず厳しく感じるのかもしれません。

【ジムの立地】
東海や関西では基本的に駅近のジムは初心者~中級者を対象にしていて易しい課題が多く、駅からある程度歩いたり、車じゃないと行けないジムは上級者も対象にしていて、高難度課題が多い傾向にあります(単純に広いからというのもありますが)。しかしながら、関東、特に東京、神奈川あたりのジムは、そういった、立地が難度(グレーディングや最高グレード)に及ぼす影響はあまりないイメージです。

【壁の種類】
関東の方がジムの総数が多いため、壁面積や壁の種類、高さのバリエーションは関西や東海よりも優勢だと感じています。それゆえ、課題の種類も幅広く、近年のコンペに求められる総合力はつきやすいがします。一方、関西や東海は保持系のクラシックな課題が多いので、クライミングの地力はつきそうです。

【クライマーの強さ】
マナーとかは置いておくと、こちらは明らかに関東の方が強いクライマーが多い気がします(ジム民に限る)。クライミング人口に対する強クライマー比率は分かりませんが、競技人口の絶対数が多いので強い層も多いです。また、それに伴って、日本を代表するトップクラスの選手(コンペティター)達も、より切磋琢磨できる環境を目指して関東、特に東京近辺に集まる傾向にあります。まぁ、最近は質の高い公共施設が鳥取県や岩手県等の地方にもでき始めているので、一概に関東優勢とは言い切れなくなってきましたが。

選出ジム一覧

ちなみに、今回データとして採用した各地域の上位 7 ジムは以下の通りです(順不同)。

【関西】
Siesta 吉田店、Luvrock、Minorite、Crux 京都店、Crux 大阪店、ナカガイクライミングジム 橿原店、KO-WALL滋賀ボルダー店

【東海・甲信越】
魚動1号店、魚動2号店、クオーレイオン名古屋みなと店、PlayMountain!名古屋店、PlayMountain岡崎店、PLANET袋井店、Edge and Sofa 松本店

【関東】
B-PUMP 荻窪店、UNDERGROUND、Project、Rhino&Bird、D.Bouldering綱島店、D.Bouldering八王子店、葛飾区クライミングセンター

グレード番付

私が今まで訪れたクライミングジムのグレード感をまとめてみました。正確さは保証しませんが、興味があれば見てみてください。

クライミングジム グレード番付

次回更新

2021年8月以降。

沖縄・九州地方、中国・四国地方、東北・北陸地方、北海道地方なども一定数訪問次第、書き加えていきたいと思います。ボル検のグレード感も知りたいので近く受験するかも。

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