強烈なまぶし壁のあるクライミングジム10選【2024年1月版】

Ranking&Feature
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選出基準

※筆者の訪問したことのあるクライミングジムのみから選出
※広義のまぶし壁とし(ラインセットは除く)、ある程度の強傾斜、高度、インパクトが両立しているものを指す
※2018~2023年の訪問結果から記事を作成しているため、昔と今で変わっている部分がある際はご容赦下さい

①JAZZY SPORT MORIOKA THE STONE SESSION(岩手)

岩手県盛岡市のジム。厨川駅から徒歩10分程度。通称TSS盛岡。メイン壁の強傾斜を大小様々なホールドで隙間なくまぶし尽くし、課題ファイルやテープ課題すらない完全かつシンプルな人工外岩に仕上げた。余計な情報なくセッションにのめり込める、まさにクライマーの原点とも言える環境。ジムとしてもクライマー同士のコミュニケーションを促進するような雰囲気があり、楽しくかつ集中したトレーニングが可能。

【クライミングジム紹介】JAZZY SPORT MORIOKA THE STONE SESSION

②BOLZ 南仙台(宮城)

宮城県名取市のジム。南仙台駅から徒歩20〜30分程度。メインはラインセット壁だが、右手に見える存在感のあるまぶし壁は最早芸術作品。強傾斜をベースとした二段階の傾斜壁は、大きな岩にも見え、クライマーの登攀欲を本能からかき立てる。白、青、黒のセンスの良いホールドの配色は、周りのラインセットのカラーともマッチしており、新時代のまぶし壁の形を体現している。

【クライミングジム紹介】BOLZ 南仙台店

③Lutra Lutra(埼玉)

埼玉県深谷市のジム。深谷駅から徒歩15~20分程度。コンペや岩場で有名なカジマルさんご夫妻が経営。縦横に広大な強傾斜を満遍なくホールドをまぶし尽くした至極の一壁。テープ課題メインではあるものの、通常のまぶし壁よりもムーブの自由度が高く、トレーニングにも最適。まさにクライマー垂涎の壁。他の壁はラインセットとなっており、課題のクオリティも高い。ロゴキャラクターも可愛くて良き。

【クライミングジム紹介】Lutra Lutra

④Volny(東京)

東京都武蔵野市のジム。吉祥寺駅から徒歩10~15分程度。画像を見るだけで、最早何も言わずともまぶし壁を極めた姿だと分かる。この領域に踏み込むはヒトか獣か。ほぼ全ての壁を細かいホールドでビッシリとまぶすことで異次元のクライミングを堪能できる。隙間が無さ過ぎてホールドのかかり具合すら限定され、頭も指先も足先も極限まで集中しないと満足に登れない。課題も壁に慣れるまではかなり難しく感じた。

【クライミングジム紹介】Volny

⑤Rhino&Bird(東京)

東京都荒川区のジム。西日暮里駅から徒歩5分程度と好立地。正面と右手側の壁は強傾斜のまぶし壁で、持ち感が悪いものも容赦なくセレクトされている。グレードの辛さと言えばライノのイメージが強く、ジム内は正直そこまで広くはないが、ここを根城とし高難度課題の洗礼を超えることで、1つ上の強さを手に入れられるだろう。

【クライミングジム紹介】Rhino&Bird

⑥RUNOUT(東京)

東京都国分寺市のジム。西国分寺駅から徒歩5~10分程度。1Fのまぶし壁は3面あり、全体的に昔の程よい大きさのホールドが散りばめられていて使い込まれている感があって良き。壁自体はそこまで高度はないものの比較的強傾斜なので、負荷がかかったトレーニングが可能。また、店内1Fにはリード壁、上の階にも別のボルダリング壁があるので、毎日通っても別のクライミングができる点で良き。

【クライミングジム紹介】RUNOUT

⑦Project(神奈川)

神奈川県のジム。鴨井駅から徒歩10分程度。本当に難しい外岩課題をやりたいクライマーこそ通うべきジム。外岩の有名クライマーの小山田大氏や野村真一郎氏がいることで、高難度のファイル課題やトレーニング施設も充実している。2Fにはムーンボードならぬカチボードがあり、一般的な価値観で強傾斜に付けるホールドの限界を突破しているのもこのジムの魅力。

【クライミングジム紹介】Project

⑧KO-WALL 滋賀ボルダー店(滋賀)

滋賀県栗東市のジム。草津駅から徒歩25分、駅前のレンタサイクルで10分(\500)程度。関西のまぶし壁の雄。強傾斜で高度もあり壁面積も広いので圧が凄く、強度のある課題が楽しめる。クライミングの本質に則り、照明や冷暖房も最小限に留めているという徹底ぶり。国内でこの規模のまぶし壁は関東のProjectくらいかと思われ、クライマー魂を育て上げるのにもってこいな場所。

【クライミングジム紹介】KO-WALL 滋賀ボルダー店

⑨グッぼる ボルダリングCafe(滋賀)

滋賀県彦根市のジム。南彦根駅から徒歩5分程度と好立地。連続した多面強傾斜壁が特徴で、立体的で強度のある課題が楽しめる。キャンパシング設備も充実しており、保持力、外岩トレーニングをするのにも良い環境。最高難度課題は保管しておく習わしがあるようで、上級者まで楽しめる。Youtube等で定期的に動画を上げていたり、通販が使いやすかったりと、広報活動にも力を入れているフレッシュなジム。

【クライミングジム紹介】グッぼるボルダリングCafe

⑩Crux 大阪店(大阪)

大阪府吹田市のジム。江坂駅から徒歩5分程度と好立地。関西では大型リード施設としても有名だが、ボルダリング施設としても、2Fの「舟」ボード、1Fのムーンボード、まぶし強傾斜壁など優れた設備が整っている。関西でリード/ボルダリングをやるクライマーなら必ず訪れておきたい。ショップも充実しており、総合的な面で良い環境のクライミングジム。

【クライミングジム紹介】Crux大阪

まぶし壁のメリット・デメリット

○まぶし壁とは…
壁一面に隙間なくホールドがつけられている、まるで自然の岩肌のような人工壁のこと。大小様々なホールドで壁を埋め尽くす(まぶす)ことによりホールド同士が重なり、ホールディング(持つ位置)やスタンス(足を置く位置)も限定されることが多い。後述するメリットから、ホームジムに1つ以上あることで、そのジムのクライマーの総合的なクライミングのスキル/リテラシーが向上すると言われている。一方で、いくつかの商業的・雰囲気的な問題点も同時にあり、全国のクライミングジムのまぶし壁の数は近年減少傾向にある。ただ、特に外岩クライマーや古参クライマーの中には熱烈なファンも多い。

○メリット
・様々な色・形・大きさ・メーカーのホールドが使えるため、課題作成やムーブの自由度が向上する
・ホールド替えのタイミングは長く、壁面積の大きさによっては1年以上そのままのジムもある
・1壁あたりの課題数効率が良いため、店舗面積が狭いジムでも導入しやすい(ラインセットだと7個くらいでも、まぶし壁では100個以上の課題を作成可能)
・保持力やホールド位置の記憶力、足運びの精度等が大きく向上する
・課題作りの際、自分がセッターになれるため、クリエイティブな経験ができる
・他クライマーとセッションしながら課題作りを楽しむことで、自分の苦手なムーブが詰まった課題を作ったり、ムーブのアドバイスをいただくことで、自分一人では見えてこないムーブの癖、長所/短所、リーチ感、他者の考えや思い等を深く理解できる
・ジムにもよるが作成した課題は紙媒体やアプリに記録しておけるため、他のクライマーもその記録媒体を見れば同じ課題を登れる
・クライミングの本質への理解に一歩近づく、かもしれない
など

○デメリット
・目新しさがない
・壁の見た目に威圧感があり、美観がイマイチ
・大きな動きが少ないため、地味に見える
・初心者~中級者がとっつきづらい
・待機スペースが狭い場合は人が密集して危ない
・中~上級者がメインで打ち込むことで初心者やライト層からストイックとも見られ敬遠されてしまいジムの売り上げが下がる
・トレーニング壁的な性質上、遠征に向かないとされているためジムの売り上げが下がる
・所持ホールドが少ないジムだと、ホールド替えをしても同じような景色、ホールディングでマンネリ化する
・まぶし壁用の課題記録アプリを導入しているジムが少ない
・コミュニケーション力が必要
・ラインセットよりもコミュニケーション面で揉め事が起こりやすい
・長物課題や身内課題で1つの壁を占有して他のお客さんが登れないことがある
など

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